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消防設備点検・報告をしないとどうなる?罰則と実務リスクを解説
消防設備点検の未報告・虚偽報告は消防法第44条により30万円以下の罰金または拘留の対象です。両罰規定や設備未設置のより重い罰則、火災時の実務リスクを解説します。
最終更新日: 2026-07-08
消防設備点検やその報告を怠ると、消防法に基づく罰則の対象になります。点検結果を報告しない、または虚偽の報告をした場合は「30万円以下の罰金または拘留」と定められており、法人であれば会社自身も罰金刑の対象になります。さらに、設備そのものを設置しない・命令に従わないケースでは、より重い罰則が用意されています。このページでは、条文の根拠を示しながら罰則の中身と、罰則以上に重い実務上のリスクを整理します。ご自身の建物の義務は義務判定チェッカーで確認できます。
点検・報告をしないと「30万円以下の罰金または拘留」
消防用設備等の点検結果を報告しなかった場合、または虚偽の報告をした場合は、消防法第44条第11号により30万円以下の罰金または拘留に処せられます。これは点検・報告義務を定めた消防法第17条の3の3に違反した場合の罰則です。
この罰則は、消防用設備等点検報告制度が創設された昭和49年6月1日以降、金額に変更はありません。点検を実施していても、報告を怠れば違反になり得る点には注意が必要です。報告の手続きは報告の手続き・期限・提出先で解説しています。
法人も罰せられる(両罰規定)
罰則の対象になるのは、違反行為をした個人だけではありません。消防法第45条は「両罰規定」を定めており、法人の代表者や従業者がその法人の業務に関して違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対しても罰金刑を科すとしています。
点検報告義務違反(第44条第11号)に対する法人への罰金は、両罰規定でも各本条と同じ30万円以下の罰金です。この両罰規定は平成15年10月1日から追加されたもので、その後変更はありません。つまり、担当者個人だけでなく、建物を保有・管理する会社そのものが罰金の対象になり得るということです。
虚偽の報告も同じ罰則
見落とされやすいのが、報告をしないことと同じく、虚偽の報告も罰則の対象になる点です。消防法第44条第11号は「報告をせず、又は虚偽の報告をした者」を対象にしています。点検で不備が見つかったからといって、実態と異なる内容で報告することは、未報告と同じ罰則の対象になります。
設備の未設置・命令違反はさらに重い
点検・報告義務違反よりも重い罰則が用意されているのが、消防用設備等そのものを設置しない、あるいは消防機関からの命令に従わないケースです。
| 違反の内容 | 根拠条文 | 罰則 |
|---|---|---|
| 消防用設備等の設置命令に違反 | 消防法第41条(第17条の4第1項違反) | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
| 消防用設備等の維持命令に違反 | 消防法第44条(第17条の4第2項違反) | 30万円以下の罰金または拘留 |
| 点検結果の未報告・虚偽報告 | 消防法第44条第11号(第17条の3の3違反) | 30万円以下の罰金または拘留 |
消防庁の資料には、設置・維持命令に違反したとして告発され、略式命令で罰金刑が確定した実例が記録されています。実際に消防機関が命令から告発へと進めた事例があることは、これらの義務が形式的なものではないことを示しています。
罰則よりも大きい実務リスク
罰金の金額だけを見ると小さく感じるかもしれませんが、点検・報告を怠ることの本当のリスクは金銭的な罰則にとどまりません。
第一に、火災が実際に発生したときの責任です。設備の不備が原因で被害が拡大した場合、状況によっては刑法第211条の業務上過失致死傷罪など、消防法以外の重い責任を問われる可能性があります。第二に、建物の安全性が確保されていないと判断された場合、消防法に基づく使用停止などの措置命令の対象になり得ます。第三に、点検・報告を適正に行っていないことが明らかになれば、テナントや利用者からの信用にも影響します。
こうしたリスクを避けるうえで、点検・報告義務を正しく把握しておくことが第一歩になります。ご自身の建物の用途・延べ面積・階数を入力すると、点検・報告義務の有無、報告周期、有資格者点検の要否の目安が表示されます。まずは義務判定チェッカーで確認し、義務の全体像は消防設備点検は義務?をご覧ください。
出典
- 消防法 第17条の3の3・第17条の4・第41条・第44条・第45条(e-Gov法令検索、2026-07-08取得): https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186/
- 消防庁「点検報告制度に係る罰則規定について」(2026-07-08取得): https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_betten06.pdf
- 消防庁「消防法における罰則規定一覧(予防分野)」(2026-07-08取得): https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento255_20_siryou2-3-9.pdf